神創実験

「軍団歴40年、第一軍団が崩壊する直前、南方軍団第一軍団との境界を密かに占領し、ローレン・クリーマンと手を組み、『第一軍団』の名義で大規模な人体改造実験を進めた。そしてその実験区を『深紅域』と名づけた。実験プロジェクト名は『神創実験』という。」
「『深紅域』の実験では人体の機械化が主として行われ、その目的は『人類の知恵と機械を完璧に融合した生命体』を作り出すことにあった。ローイン・クリーマンを含むクリーマン家のほとんどの者、そしてニースの多くの市民が『深紅域』の実験へと投入されることとなった。」
「それから数年にわたり残酷で非人道的な実験が行われ、生き残った被験者は100人に1人しかいなかったと言われている。また生き残った者も人とは異なる姿へと改造され、体の一部を機械組織へと完全に置き換えられてしまった。ローインも例外ではなく、まだ抹消されていない記録によると、彼女の手も金属の機械へと改造され、それにより非常に活性レベルの高い金属の聖痕の能力を身に着けるに至った。」
「軍団歴42年、東方軍団を含む各勢力が『深紅域』の秘密に気づき始め、事実を隠し通すことが困難となった。また絶えず実験を繰り返したものの、結局『完璧な生命体』をつくる目標の実現には至らなかったため、南方軍団の責任者はついにその実験の事実と秘密を闇へと葬る決定を下した。」
「その年の7月、南方軍団は『深紅域』への物資の供給を止め、聖痕使いの特殊部隊を派遣し『深紅域』に対する掃討作戦を実施し、生き残った被験者らの皆殺しを図った。」
「そして掃討作戦は成功し、南方軍団の秘密は闇に葬られた。『深紅域』は『第一軍団の残党』として壊滅することとなった。しかし実際には……聖痕使いの特殊部隊による掃討作戦後、遺体として見つからなかった人物が数人いたのだ。その中にはローイン・クリーマンのほか……彼女とほぼ同年代の少年が含まれていた。」