崩壊大恐慌

戦争は終わったが問題がひとつ残り続けていた。当時、人々はそれを無視することができる状況にはなかった。その問題とは、崩壊エネルギーとは結局なんなのか、という問題だ。崩壊エネルギーによって火も水も生み出すことができ、時間を止め、金属を操ることもできる。つまりできない事は何もないという事だろうか?そのような考えがあったためか、戦後、崩壊エネルギーに関連した詐欺事件が大量に発生した。崩壊エネルギーが込められたという石の販売から、崩壊エネルギーによる占い、聖痕に関連した詐欺やウソの学術発表に至るまで様々な詐欺があった。そして人契連はとても面倒な事実があることに気づかされる。彼らはそれらがウソだと証明するだけの力を持っていなかったのだ。なぜなら人契連にも崩壊エネルギーによって何ができるのかわかっていなかったからだ。人類の歴史の発展を読み解いていくと、わからない事物に直面した際、それを最もうまくコントロールできるものは宗教だということがおのずとわかる。そこで人契連は天命の再構築を迅速に進め、それを現代社会における合法的な社団へと作り変えた。しかしすべてが遅かった。近い将来、ただのパワーストーン詐欺だったものが「大陸棚振動装置」という巨大なウソと化してしまう。そして最終的に必要のなかった世界大戦が引き起こされてしまうことになる。